BEFORE GET IN SLEEP

07.08〜09
ロード4日目。朝10時に朝日と松枝さんと3人でFM802に。ダーッとプロモーション。近くでオムライス食べた後、京都に向かう。午後は京都で店回り。ヴァージン・メガストアが今月限りで閉店ということで、大バーゲン。でも、「HOLIDAY」押してくれているお店なので淋しい。タワーに行ったら、YAMAUCHI「月の出汐」がいまだに試聴機に入っていて驚く。YAMAUCHIの花鳥風月的世界はやっぱり京都向きなのかも。タワーのバイヤー小室さんは面白い人で、昨日のイヴェントのことを話したら、「サウンド・スケジュール? そらサイアクでしたね」とズバリ! MEMORY LABの動向にもとても興味を持ってくれているので、現在進行中のプロジェクトについても先行プロモーション。たくさんお店を回ると、いろんなことが分かってきて、これからの課題とか、考える上でも勉強になります。夜はようやく少し時間に余裕ができる・・・かと思ったら、朝日のバウンス用原稿書きにつきあうことになり、カフェ・オパルで長〜い自習タイム。せっかく京都に来たのに、カフェ・メシで終って無念。
明けて5日目。午前中に名古屋入り。まずはお店回り。名古屋駅周辺で3軒。それからZIP FMに向かう。朝日が約20分間ほど生ゲスト出演。たっぷり「HOLIDAY」のプロモーションできる枠がもらえて、大感謝。局の編成のエライ人達から現場ディレクターまで歓待してもらえるのは、ひとえにソニー時代のプロモーター、Tさんのおかげ。在名古屋のYOGA RECORDING、ゴカンくんともバッタリ会い、彼にも協力してもらって、良い感じにプロモーションもできた。
栄まで歩いていくが、大阪〜京都も暑かったけれど、名古屋もクソ暑い。ホント、こんな時期にレコード店回るなんて、死のロード。でも、朝日はタフだ。ソニー時代から何度もキャンペーン回っているので、プロモーション・ワークも僕などよりはるかにプロフェッショナル。店員さんの顔もよく知っているし。そうそう、特筆すべきは自筆のポップ書きの上手さ! レコード店に就職したら、ポップ書きの魔術師と言われていたかしれない。レコード店で見かけた人は注意して見てみてね。
名古屋まで来ると、関西でのエゴ・ラッピンがいかに凄いものだったかが分かる。だって、どこも宇多田、桑田を越える展開だったもんね。でも、名古屋では数分の一に縮小。東京はどうなんだろ?
「HLIDAY」は最後にまわったタワーのパルコ店が理想的な試聴機展開をしてくれいて、スタッフも温かくてゴキゲン。店内見回すと、PHATも試聴機入って良い感じ。さかなの「BLIND MOON」が歌もの特集で試聴機に入っていたり、YAMAUCHIが面出し展開されていたりで、日本全国、こんなお店ばっかりだったらなあ。よっしゃ、次は札幌も福岡もまわってやる、などと決心する。
というところで、5日間の全行程終了。朝日の案内で松坂屋の上のうなぎ屋に。旅行中、初めてのビール飲んで極楽。そして、ひつまぶし! なんじゃ、コレ! 今までこんな食べ物があるのを知らずに生きてきたとは! ヤバイです。名古屋サイコ〜。すっかり気持ち良くなり、帰りの新幹線はもちろん爆睡。

07.10
ロード疲れでなかなかベッドから出られず。まだ風邪気味で咳も出る。
旧友、オノセイゲンからメール。「リトリモア」の原稿を読んで感動したという。「こういうことに気がついてどうどうと発言してくれる人が増えることを祈りたい」と書いてあった。セイゲンもまた血気盛んなファイター。僕と同じく、年がら年じゅう、世直し!と考えているような男だ。
夕方、久しぶりのスタジオに。PHATのダイスケ来訪。本当はソロ・アルバムのミックスの続きをする予定だったが、急遽、クラブ・キングから依頼されたスネークマン・ショー用のジングルの制作をする。スネークマン・ショー・フリークのダイスケはギャラも聞かずに引き受けて、いかにもYMO世代らしいテクノ・ポップなジングルを作ってきた。それをプロ・トゥールズに取り込んでミックス。2時間ほどで終了。クラブ・キングはすぐ近所なので、歩いて届けに行く。残念ながら、茂一さんは会議中とかで会えなかったが。
スタジオに戻って、ダイスケと8月以後のPHATのレコーディングについて相談。思えば、アルバム作り終えてから、アッという間に半年が過ぎていた。次作はPHATにとっても勝負の一作。今年後半はラッシュせねば。
風邪を治すべく、ふたりで近くのチャンコ・カフェへ。夏のチャンコもオツなもの。台風接近で豪雨になってきたので、ダイスケの車で家まで送ってもらう。

07.11
台風去って、夏晴れの空。あまりの暑さに、原稿仕事に集中しようとするが果たせず。
大久保でダイスケとミーティング。話は昨日の続き。PHATの次作はいろんなミュージシャンとのコラボレーションに進もうとしているのだが、その候補となる(と僕が勝手に考えた)人達のCDを手渡す。メジャーもマイナーもいっしょくた。テクノもあればフォークもある。何故、この人?と問われても、僕の中でPHATと響きあう可能性があるように思えた、としか言いようがなかったりする。
僕は相当、長い間、音楽を言葉で語る仕事をしてきたはずだが、それでも現実の音楽制作の場では、言葉によるコミニュケーションはひどくもどかしいものでしかない。複数の人間がそれぞれのイメージの中にある音を相手に伝えようとする時、楽器を手にとってサッと表現できれば越したことはないわけだが、それが簡単ではない場合は、言葉を越えたところでの、超心理的なコミニュケーションに頼らざるを得なくなってくる。ふとした瞬間に、空気の中から欲しいものを掴み出してくるようなマジックがスタジオでは必要とされるわけで、僕とフジワラダイスケがなぜ一緒に仕事しているか、あるいは僕と朝日美穂がなぜ一緒に仕事しているかと言えば、そういうマジックを一緒に体験してきたからだろう。コレだよ、コレ!と頷きあえるものを一緒に空気の中から掴み出した経験が信頼関係に繋がる。が、何がどうしてそうなったのかというと、説明できない。時間が経ってしまうと、なおさらだ。次があるかどうかも分からない。最近はまばらなスタジオ・ワークしかしていないので、ちょっと、そんな気分に。
でも、夏はいつも、新しいインスピレーションをくれそうな気はする。ダイスケの車で吉祥寺まで乗せてもらって、久しぶりにひとりで街をフラフラ。何をするでもなかったのだが、ぎんぎんぎらぎらの中でフ〜ラリフラフラしていると、大学時代のことを思い出す。夏は探求の季節。暇にまかせて、レコード屋をめぐり、ライヴハウスをめぐり、知らない音楽にたくさん出会った。夜はずっとずっとギターを弾いて、たくさんコードを憶えたな。あれから長い年月が経ったけれど、つまるところ、何ひとつ変わってないような自分がいることに驚く。なんかいけそうじゃん。この熱気の中から何か掴み出そう。

07.12
早起きして原稿をふたつ。久しぶりにピキヌーでカレー。やっぱり、この季節は大繁盛ですね。
あまりの暑さと、まだ残っている旅行疲れで午後はダラダラ、ベッドとコンピューターの前を行ったり来たり。夕方、スタジオに。東芝EMIスタッフとPHATのレコーディングに関してミーティング。例の資生堂の件もあって、ムードは良いけれども、課題は山積み。ライヴを含めた今後の展開についてじっくり話す。
それから自転車飛ばして、下北沢へ。某事務所のスタッフとミーティング。同じ内容について話すのでも、相手によって、喧嘩腰にもなれば、膝を詰めた前向きな話にもなる。要は振舞いや言葉遣いの問題。人間としての基本的なこと。我が振りも直しましょう。
下北沢440の前はよく人に会うのだが、今日はハリー吉田氏にバッタリ。取締役なのに、相変わらず現場好きは変わらぬようで。聞けば、新レーベル作って、あの人を手掛けるかも! あの人といえば、今、こんなコラボレーションも進んでいるんですけれど・・・てなことで、世の中、いろいろいろいろ繋がっていますね。
朝日も下北沢にやってきたので、下北沢440のスタッフに挨拶に。それから、ベースメント・バーでストーンド・ソウル・ピクニックのライヴを観る。
自転車でスタジオ戻って、少し作業しようかと思ったのだが、物凄い熱気だったのでメゲる。家に帰って、久しぶりにギターを弾いて、曲など作ってみる。カントリー・ロックやりたいなあ、また。

07.13〜14
風邪の回復に務める。あまり書くことがない。寝てれば治るというものでもなく、寝すぎで腰が痛くなったり。
あ、珍しく夜中にテレビをつけたら、NHKで山崎まさよしなどが出演するイヴェントを放映していたが、音があまりにしょぼくてビックリ。で、別のチャンネルにしたら、チャゲ&飛鳥などが出るイヴェントを放映していて、こっちは段違いに音が良かった。あと、飛鳥のヴォーカルは素晴らしいですね。こりゃ日本のダリル・ホールだなあ、とか思って見ていた。ピッチが良いだけじゃなくて、リズムやアクセントが実にダイナミックかつ繊細。汗だくで歌っていて、ホラ、桑田くんとか達郎さんとかの、もう安定しきった大御所感の中でしか歌えなくなっている感じになんだかな〜と思うことも多い僕としては(同世代ゆえ?)、よっぽど気迫や情熱や誠実さを感じた。アレンジにしても、相当に緻密な仕事をした結果に聞こえたし。思えば、一度もCD、聞いたことがないのだが、一度、聞いてみよ。