〜S.O.S.(The Sound of Shimokitazawa)に参加しました!〜
シングル『ドットオレンジ模様の恋心』


ドットオレンジ模様の恋心
2005.10.24 on sale
朝日蓄音 ASCO-9004
全2曲収録/\840(tax in)
S.O.S.(The Sound of Shimokitazawa)に参加しました。
シモキタ(界隈)在住14年。この街がライブ活動の重要な拠点にもなっている朝日が、キッチュなニューウェイヴ・スカ・サウンドにのせて、下北沢の今の姿を切り取ります。カップリングの「shimokitayoru remix」は、シモキタの街の音だけで構成されたトラック。シモキタでしか撮れない風景をおさめたアートワクにも注目!


<収録曲>
1.ドットオレンジ模様の恋心
2.ドットオレンジ模様の恋心 -shimokitayoru remix-

1.ドットオレンジ模様の恋心
下北沢の道路建設問題に対して、ミュージシャン側から何かできることはないかなあ、とハイポジのもりばやしみほさんから相談を受けたのは、今年の初め頃。とりあえず何か曲を作ろうか、なんて言って作っておいたのがこの曲。その後、S.O.Sという形で実現し、私も参加させてもらうことになりました。今のシモキタの風景を歌に残しておきたいという気持ちでつくりました。

2.ドットオレンジ模様の恋心 -shimokitayoru remix-
9月のある金曜の夜に、シモキタの街で拾ったノイズだけで構成したトラックです。踏切や電車の音、クラブイベントのリハの漏れ音や、カレー屋から聞こえてきた音楽などをコラージュ。


ジャケット裏。道路予定地にあたるスズナリ横丁の「古書ビビビ」の前で
S.O.S.って?
下北沢の道路(補助54号)建設問題をきっかけとして、シモキタの魅力をもう一度考えてみよう、ということで始まった音楽プロジェクト。オーガナイザーは、音楽ニュースサイト「ミュージックマシーン」の運営者、タクヤさん。今年の6月からこれまでに、曽我部恵一さん、TOMOVSKYさん、ワタナベイビーさん、hi-posi、朝日、南風 with HARCO & 岩見十夢、ROCKET K、宮沢和史さんがリリースしています。みな下北沢地区限定販売です。S.O.S.のロゴデザインは、コンテムポラリープロダクションの信藤三雄さん。ジャケットはそれぞれ色違いで、シモキタのレコ屋ではコーナーができていて、鮮やかに並んでいます。私も10月から発売していましたが、シモキタだけにとどまらせたくないと思い、12/16より、全国発売しました。
S.O.S.のホームページはこちら
わたしの思ったこと
補助54号は、交通渋滞の緩和や、防災のために必要だと世田谷区は言っています。しかしながら、活気のあるシモキタの商店街や、その先の閑静な住宅街をこわしてまで、環七なみの大きな道路を通す、ということに違和感を感ぜずにはいられませんでした。なんだかもっと環境の悪い街になるんじゃないの?
この計画は、昭和21年からあるそうです。今になって実現することになったのは、小田急の地下化がきっかけ。じゃあ、小田急の跡地を利用することで、渋滞の緩和や防災に役立てられないの?


補助54号は、小田急線路跡と交差する形で建設されます。図は、Save the 下北沢から許可をいただいて掲載しています。

いろいろ素朴な疑問がわいてきて、調べてみたんですけど、釈然としないことが多かったです。小田急跡地の利用の仕方ははっきりしていないのに、道路の正当性は主張しているとか、道路のみならず、駅前には17階建てクラスの高層ビルを林立させようとしていたりとか(背が低い街の特長と相反する計画です)、で、こういうことは、十分な住民への説明がなく、決定されている。反対意見には、「計画の見直しは考えておりません」と切り捨てる回答(http://www.city.setagaya.tokyo.jp/topics/douro/ikengaiyou.pdf 参照)。さらに、Save the 下北沢が交通量調査をした結果、下北沢の交通量は減っている傾向にあって、道路を作っても、効果は国土交通省が定める建設基準の12%しかないことがわかったり。
これらの疑問を「クジラノイズのFBI」でシモキタ特集をする際に、世田谷区に聞いてみたんですが、担当してくださった方は、大変ご丁寧に対応してくださったものの、残念ながら、納得のいく回答は得られませんでした。どの質問の回答も要約するとこのような内容。「これは、ちゃんと段階をふんで、都市計画で決まったこと。実際、54号は、渋谷区側と環七以西の一部では完成している。シモキタ地区が整備されれば、交通の円滑なネットワークが構築され、シモキタは生活道路に侵入してくる車を防げるし、防災の面でもよくなるし、活気ある街づくりができる。」
思考を停止しているというか、シモキタの街づくりは、54号ありきで考えなければならない、何かしがらみがあるように思えました。
こいういうこと、いろいろな街でおきている問題だと思います。納得のいかないものに税金を使われるのは許しがたいですが、とにかく、シモキタは、54号ができてもできなくても、小田急の地下化により、風景が変わります。これからのシモキタがどんな街になっていくのか、関心を持って見守りたいと思っています。