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議会活動の中に、政務調査会(政調会)というものがあります。行政(執行部)がどのようなことを今後やっていこうとしているのかを調査し、議会がその内容を議案として上程される前にたたき、調整しながらよりよい行政の施策を作り上げようとするものと、私個人では理解しています。私たちの熊本市議会では、今回ちょっと変わった動きがあったので、今回はこのお話をしようと思います。
これまで熊本市では、恥ずかしいことにこの政調会は毎年2月の、3月議会への議案上程後にこれが開催されていました。それでは単に議案の内容、特に新年度予算の説明会になるに過ぎず、見直しが必要なことが見つけ出されて指摘しても、新年度の施策に反映することができず、そのさらに翌年度に反映されることを期待することしかできません。どうしてもおかしいとなれば、議会に提出された議案に修正動議をかけ、予算などはそのすべての内容を修正しなければならなくなるために、膨大な手間を必要とするだけでなく、修正以外の部分にかかる、本当に必要な事項についても滞ることも考えられ、得策とはいえません。これでは待ったなしの市民生活を円滑かつ効率的に進めていくためには障害となるばかりか、議会の本来のチェック機能が働かないこととなってしまいます。
私の所属する議会内の会派は、保守系無所属の個人の集団ですが、市長与党としての立場から、近年内部改革を進めています。それは議会の本質に立ち返った議員提案をはじめとした市民の立場に立った施策の提言と、既得権益にとらわれない、はっきりものの言える議会の確立であるのですが、その一環として、この政調会を議会と行政のスムースな運営と意思決定の本音の場として活用するために、11月にすることとしました。そしてさらに短い時間を有効に活用するために、会派の会議を事前に開催し、本当に求められている施策と、指摘して改善すべき事項、特に行財政の効率的な運営ができることを重点的に協議し、全員で会議に臨んだわけです。
そういうことから、今回の政調会は執行部にとってはかなり勝手の違ったものとなったようです。なぜかといえば、この近年は熊本市の施策は、市長をはじめとする執行体制の中、つまり市民にも議会にも解らないところでいつのまにか決定されていました。そしてそれは先に延べた時間的な事情の中で、誰も文句を言いにくい体制の中で決定されざるを得ない状況に持っていかれていました。それは広い意見の反映もなく、決定の経緯もあいまいであるため、不必要とも思える建設事業や、声の大きいものの意見のみが反映され、優遇されるような施策に偏り勝ちであったといっても過言ではないと思います。これでは俗にいう密室政治とか、議会の怠慢を指摘されてもやむを得ない状況にあったともいえます。
ところが今回は時期も早くなり、執行部が計画している新年度の施策に対しても、見直しができる時間的余裕もあり、それに対する予算もまだ財政当局のヒアリングの段階であったために、おかしいと思うことの見直しや、新規に実行すべき事項に対して議会側が思う存分に注文をつけることができたのです。それまでは質問することすらはばかられるような雰囲気であったものが、一転して中途半端な施策や、時代にあった改革すらできていかないような事業に対して火花が散るような討議が交わされました。これは、言い換えればこれまでの通り一遍の形式上の審議で招いた財政状況の悪化に議会も責任を感じ、真剣に市民生活の充実に取り組んでいく議会の良識が力をつけてきた証拠でもあり、執行部とともに切磋琢磨してよりよい市政を作っていくためには大変歓迎すべきことであったと思います。
さて、そこではどういう討議が交わされたのでしょうか。議会でも、大多数の議員が現在の熊本市の財政状況の悪化を改善することが最重要課題であると思っています。そのため、細かい手法は違っても、結論はそこに落ち着くという問題がほとんどだったように思います。これから、丸二日間に及んだ会議のそのあらましをお話します。
まず、財政問題です。現在熊本市で問題となっている未収入金の徴収について全容を調査し、その解決策について多くの議員から提案がなされました。一部の議員からは、こういう問題を議会と論じることは行政の怠慢だという叱責もありましたが、多くの議員は、よりよい解決策を行政と議会が知恵を絞り会い、少しでも前進しようという気持ちでしたので、強制執行にも近いような、かなり強硬な収入策も論じられるなどで、協力して進めるようないい雰囲気が作り上げられていました。ただ、財政指標と中長期見通しを公表せずに、行政の内部にひた隠しにしている財政当局の市政には議会も反発し、私も思わず「財政当局には驕りがある。こいつらにはどうせそれを公表しても理解できないとでも思っているのか。公表して解らないならば、意識のある人々は勉強して理解しようとする。そして理解した人々が市民の立場から協力し、一体となって財政改革が実現するのではないか。」と大声を上げてしまう場面もあり、財政担当者は多の議員からも攻撃されてハンカチで何度となく目を押さえるような状況でした。
その他の執行面では、やはり効率的な行財政の運営面からの意見が多く、特に介護保険法の成立に関しての福祉面での事業の民間委託、市民の貸し家業との関連を考え、さらに多くの出費を必要とする市営住宅の、立替えを除く新規建設の中止、公共建設物に対する定期借地権の活用など、費用を使っても税収でその一部が戻ってきたり、市中経済を活性化させるための討議が多くなされました。あとは、行政の民間経営的運用や、市中経済を圧迫する都市計画道路の見直しなど、内部体制にかかる事項が討議されましたが、その詳しい内容については、すでに私も本会議での一般質問で理由やデータを挙げて議論していますので、個人的に発行している議会報告には詳しい内容を記載しています。今後機会があればその内容も、このページ上に掲載していきたいと思いますので、そちらをご覧いただければと思います。
今回、この丸二日間の会議を通して思ったことは、何といってもまだ行政の体質は古く、既得権益や上部組織的な認識のある国や県の制度に対しては、どれだけ市民に不利益があるとか、地域性に鑑みてそぐわないと思っていても自分たちからは変革していく気概が薄いということです。そして、どれだけ「いい」と思うことがあっても大義名分がなければ実行に移していこうとはしないという側面もあります。今後は、垂れ流しになっている補助金の支出などに関してや、ごみ収集の有料化などにかかる受益者負担の拡大もそろそろ議会内部では問題となっているため、一部の利益による施策の実現は難しくなっていくことが考えられます。いいことに、議会も一部の議員を除きそういう雰囲気になってきつつありますので、いい方向に変わってくる素地ができてきましたが、本当に大事なのは、議員を選ぶ選挙民の皆さんの姿勢です。自分の利益を考えるのは人間である以上仕方のないことですが、それだけではなく、大所高所から地域や政治のことを考える議員を選んでいくことが、ひいては自分の利益になることをよく考えていただき、投票していただくことがよりよい議会を、そして行政を作っていくのではないかと思います。
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