<秋の特集>

市職員の特権といわれるものと用地購入

熊本市職員の特権といわれるものが連日新聞をにぎあわせています。私も以前市の職員でしたが、これが熊本市だけの特権的制度だとは、恥ずかしながら知りませんでした。どこでもやっている、あたりまえのことだろうぐらいにしか思っていなかったので、これまでさしたる指摘もせずにすごしてきました。

夏季特別休暇、盆の墓参休暇、古くは昼窓手当てなんてものもありました。そして新聞が歌謡ショーなどと書きたてた、職員慰安会です。私は在職中忙しくて、ほとんどこれらの休暇を取ったことがなかったし、慰安会にも行ったことがないためにピンとこなかったのも事実です。全く持って恥ずかしい話しです。

たしかに、今思えば有給休暇がある上でのこれらの休暇は民間に比べて過分とも言える待遇で、これを即刻廃止した市役所の姿勢はたいへんに評価します。ただ、慰安会の突然の中止はいかがなものでしょうか。これには議会でも異論が続出しました。

慰安会は、ほとんどの場合職員が行くのではなく、その家族や近所の人が参加しており、職員がもらったチケットを奪い合うようにして一般市民の方が持っていっていたので、その実態は市民の慰安会という側面も持ち合わせていました。しかし、看板がついていますので、非難されるのは仕方がないと思います。

しかし、今回の問題は、それを指摘されたので、休暇と同じように即刻中止してしまったことだと思います。中止すれば当然違約金が発生します。慰安会の費用が税金の無駄といわれるのならば、何もせずに支払った違約金はもっと無駄ではないでしょうか。

これについて議会内部では、どうせ中止するのならば職員の参加を中止して、本年に限っては違約金を支払うよりも施設の高齢者を参加させたほうがお金が有効に使えるのではないかという議論が続出しました。しかし、マスコミの攻撃にノイローゼ気味だった担当部局は、何もかも中止を強行し、かえって金の無駄を招いてしまった気がしてなりません。マスコミも、ただ攻撃するのではなく、其の辺の議論を喚起して欲しいと思います。

市の職員には福利厚生というものが余りありません。共済制度は充実していますが、民間企業の福利厚生と比較すれば、内容的にも予算的にもかなり抑制されているのもまた事実です。公務員といってしまえばそれまでですが、やはり人間としての権利もある程度認めてあげたい気もします。

ただ、ここで問題にするとすれば、それは職員の労働組合の体質ではないでしょうか。市役所は労働組合が力が強く、新しい政策を実行する前には必ずお伺いを立てなくてはなりません。そして組合が納得しなければどんなことも実行できないという変な慣例があります。給食の食器が陶器製にならなかったのも、休日の窓口が開設できないのもすべて組合の反対によるものです。

私達が努力して制度化した、市民には利便性の高い制度も、いとも簡単に組合の反対でつぶされます。そしてそれは、一般的な職員が反対しているのではなく、一般の職員にはそう言う情報も知らされないままに、一部の組合幹部が反対しているようです。

そこで制度化に向けて努力したい市の幹部は、組合に反対されないように、特別な休暇や手当て、慰安会の実施を取り引き材料(組合対策という)として様々な施策を実現して行こうとします。これによって特権的制度が、長い歴史の中でできあがってきたのが実情のようです。

市役所を改善するには、特権的意識を持ち、影の権力を振りかざす一部の組合幹部を改善すること。これが一番の早道のようです。

また、今回の9月議会で、用地買収にかかる問題でマスコミからたたかれました。報道にはまったく出ませんでしたが、実は議会内部はもめにもめ、報道以上にたいへんでした。というのも、このゴルフ場の買収については、議会が本音としては反対であり、その調整がつかない場面があったからです。

この問題は、議会には議案として突然提案がありました。私達与党には、提案された案件は基本的に賛成せざるを得ないという側面があるため、通常は議案上程前に打診があり、そこで意見調整をしてお互いに納得のいく議案にして上程しています。ところが、今回は「こう言う風に上程したので宜しく」という話しであったため、納得の行かない議員は、たとえ与党であれ反対の姿勢をとりました。

もっとも、補正予算の一部として上程してあるため、単純に反対すれば、ほかの景気対策予算や福祉までできなくなってしまいます。そこで、与党内部からも修正動議によりその部分を削除するか、予算は可決しても、その財産の取得は議案を継続審議にして、もう少し議論しようという動きがありました。私もその一人です。

そういう状況の中で、所管の常任委員会も採決ぎりぎりまで論議を尽くし、なかなか結論が出ませんでしたが、最終的にはご存知の通り、すべて原案通りに可決承認してしまいました。

これに反対していた理由はいくつかありましたが、その最たるものは、市営住宅として利用するために、隣接する国の高度化資金の融資を受けた工業団地まで買収するというものでした。こう言う工業団地については、本市の経済の発展のために助成こそすれ、なくしてしまうのは大きな損失だと思ったわけです。

しかし最終的には、市長の可決への熱意と、工業団地に入っている事業所が廃業または市外への流出を防止するという条件が提示されたため、私もやむなく、しぶしぶ賛成したわけですが、全体としては決して報道にあったように滞納している税金を完納することが条件ということではなかったような気がします。

ただ、この買収にかかる15億というお金があれば、市民からニーズの高い公民館が20件は建つなと考えると、内心じくじたる思いがあるのは私だけでなくほかの議員もそうですが、この担当以外の各事業課の職員はもっとその思いが強かったんではないかと思います。

今後はこう言うことのないよう、監視の目を強めて行かねばならないと、同僚議員と確認しあった出来事でした。