間抜けな一言



 「ちょっと、帰りにウソマップ・ガオーに寄るから」正月に帰省した時日本橋をぷらぷらしている私に友人が放った台詞である。まあいわゆる隠語なのだが冷静に聞けば言葉の響きが尋常でないくらいアホだ。まるで彼らの知的レベルの低さが「がぉー」の響きに凝縮されているようである。問題はその彼らに私も含まれる事であるのだが。

 第三者に解らない略語や隠語はどこの業界にも有るが電算機関係の言葉というのは間抜けな響きを持つものが極めて多いのではないだろうか。「ほめぱげとは何だ、仮にホームページの事だとしてもホームページという言葉自体に誤用を含んでいるではないか。いいかげんな言葉を使わずにwebページと呼びなさい。」等と言っている人が#を「井げた」Cのcharの事を「ちゃー」等と言っていたりする。「ほめぱげ」もかなり間抜けな感じだが「ちゃー」だって立派に間抜けである、そんな事は無いとか言い張るならためしに声に出して読んでみるとよい。はい、ゆっくりと大きなこえで。

「ちゃ〜〜っ」

 串を通す(多段串なんてのもあるらしい)、えるはしてとかす、(LHAのことをエルハと読むらしい)、趣味れーしょん(趣味でやるシミュレーションの事)、バラV(AT互換機の部品をバラで買ってきて組み立てる事、又は組み立てる部品や組み立てられたものを指す)...etc。もともと日本語になりにくい上に動きが早いので仮に日本語にしたとしてもなかなか定着しない、そのために訳語を作る前に語感だけ捕らえた中途半端な言葉が流行るのだろう。そういえば昔、NECの文豪なんかでは極力マニュアルを日本語で表現しようとしてフォーマットのことを媒体初期化なんて書いてあった。努力は認めるがセンスがいまいちである。
(媒体も何も記録メディア装置はフロッピーディスクドライブしかついてなかったが。ちなみにフロッピーディスクの正式な名称は「フレキシブルディスクカートリッジ」らしい、そしてドライブは「フレキシブルディスクカートリッジ駆動装置である。ほんとか?

 最近は「マイコン」も聞かなくなった「マイコン」はマイ(my)コンピュータとマイクロコンピュータの掛け詞になっていてなかなかに洒落ていると思う(そういえば休刊になった月刊マイコンは始めはマイクロコンピュータマガジン、休刊直前はマイコンピュータマガジンになっていた)しかし、どっかのおやじ共がつかっていたパーコン等という言葉共に忘却の彼方へ去っていってしまった。
 現在ではマイコンとはどちらかと言えば単体の部品としての小規模なCPUを指す事が多いようだ。既にパソコンはマイクロなコンピュータでは無いのであろう、CPUクロック1GHzてなんやねん。

 ところで前述のウソマップ・ガオーとは日本橋のソフマップザウルス館の事である。ゲームソフトから中古ハードまで扱っていて日本橋のはずれ(ほとんど難波だ)にあるにもかかわらず結構客も入っている、店員の質を除けばそこそこ便利に使える店だ。
 
というわけで今年の合言葉は「ガオー」と言えば「ハローソフマップワールド!」と決定しました、各自留意するように。<関係者各位

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