NetBSD/x68k 9.2 Live Image

20210613版

例によってやっつけ説明なので都度適当に更新します。
誤りその他の指摘はメール <tsutsui@ceres.dti.ne.jp> または Twitter(@tsutsuii)宛でお願いします。

わりと安定して(?)動くのに気を良くして NetBSD/x68k 9.2 ておくれ Live Image を適当にテスト中。メモリさえあればなんとかなる、みたいな pic.twitter.com/AUIAcFTF7U
— Izumi Tsutsui (@tsutsuii) June 13, 2021

前書き

NetBSD/x68k を動かしてみようという方をちらほら見かける一方、 NetBSD/x68k 9.x のインストーラの disklabel 関連がいまだ微妙にバグっていてインストールがままならないのと、仮にインストールできたとしても動かすものが何もないと虚無になってしまうので、とりあえず SNS クライアントくらいは動かせるといいかな、と思って適当に作ってみました。

必要なもの

NetBSD/x68k が動く本体 (要 MC68030)
X680x0 本体に接続可能な 4GB 以上の SCSI HDD
実機 HDD にイメージを書き込むマシンと機材
(RaSCSI ならばイメージ書き込みだけで可能と思います)

もしくは

NetBSD/x68k が動くエミュレータ (要 MC68030以降の MMUサポート)
エミュレータ用に 4GB のイメージを置くだけのディスク容量

ダウンロード

右クリック→ファイル名をつけて保存でダウンロードしてください。

パッケージインストール設定済み版

20210613版バイナリパッケージインストール設定済み版 4GB メージバイナリ
ファイル名および MD5
MD5 (liveimage-x68k-with-packages-20210613.zip) = a57c68236a94c6215f9174a89dc023a8
サイズ
Size (liveimage-x68k-with-packages-20210613.zip) = 581,343,701 bytes
unzip後
Size (liveimage-x68k-with-packages-20210613.hds) = 4,294,967,296 bytes ←swapパーティション含む

インストーラでインストールしたところまでの未設定版

20210613版インストールのみ版 4GB メージバイナリ
ファイル名および MD5
MD5 (liveimage-x68k-plain-install-20210613.zip) = 6dd30742084765c9d6eed7415fb6cbae
サイズ
Size (liveimage-x68k-plain-install-20210613.zip) = 227,577,019 bytes
unzip後
Size (liveimage-x68k-plain-install-20210613.hds) = 4,294,967,296 bytes ←swapパーティション含む

使い方

イメージ書き込み

イメージのサイズは上記の通り 4096MiB (4,294,967,296 バイト) なので、それより大きい SCSI ディスクを用意してください
(現実的には IDE-SCSI 変換を使用した外付けHDDを使うことになると思います)
実機用に SCSI HDDに書き込む方法は「PC上で USB-SCSI 変換を使う」くらいしか思いつきませんが、今なお実機を保持されている方ならなんとかなるでしょう……
RaSCSI であればイメージのファイルを RaSCSI の設定で指定すればいけると思います
エミュであれば .hds ファイルを指定するだけで動くと思います

以下はバイナリパッケージインストール設定済み版の説明です。インストールのみ版については一般的な NetBSD 設定説明の afterboot(8) (enamiさんによる日本語訳テキスト) などを参照してください。

起動とログイン

マルチユーザー起動後は通常の login: プロンプトが出ます
「user」というログイン用のユーザーをデフォルトとして作ってあるのですが、パスワードが未設定なので最初は root でログインしてください
- ユーザー名: root
- パスワード: (なし)

rootでログインしたら、以下で作成済みユーザーのパスワードを設定してください

x68030# passwd -l user
Changing local password for user.
New password: [ここで設定するパスワードを入力]
Retype new password: [もう一度設定するパスワードを入力]

パスワードには (NetBSD的デフォルトで) SHA-1 を使用するので、 MC68030 25MHz 相当だとパスワード更新やログイン時の演算に60秒近くかかります。
これに限らずあらゆる処理が遅いので、何をするにも気長に待つことを心がけてください。
user パスワード設定後はいったん logout して、「user」のユーザーと設定したパスワード再ログインしてください
前述の通り root のパスワードは設定されていません。必要に応じて passwd -l root で root password も設定してください。

ネットワーク設定

とりあえず dhcpcd(8) のクライアントを起動するようにしてあるので Neputune-X や Nereid があればそのままネットワーク接続できるはずです
RaSCSI の Ethernet のドライバサポートは (まだ) NetBSD/x68k には入っていません

X起動

ユーザーもしくは root でログインして xinit を実行すれば一応 Xサーバーも起動すると思います
素の X68030 メモリ 12MB の場合、 startx で起動するといろんなものを起動しようとしすぎていつまで経っても上がってこない状態になる恐れがあります
NetBSD/x68k 9.1 までは「メモリが少ない状態で Xサーバーその他を起動するとカーネルスタックオーバーフローで落ちる」というわりと致命的バグがありましたが、 NetBSD/x68k 9.2 以降では修正されています。
デフォルトでスクリーンセーバーが有効のため、起動するまで放置していると画面が真っ暗になるので、適宜キーを叩いてください
たまに Xserver バイナリ (/usr/X11R7/bin/X68k) が Segmentation Fault で落ちることがあります。
その場合、画面がテキストモードに切り替わらないままになるので、再度 xinit を起動するか、後述の mlterm-x68kgrf を起動して終了すると復帰するはずです。

X68030 running NetBSD/x68k 9.2 GENERIC kernel and Xorg'fied "X68k" monolithic Xserver pic.twitter.com/I6L2tWAGLM
— Izumi Tsutsui (@tsutsuii) June 10, 2021

mlterm

Xサーバーはあまりに重いので、ちょっと日本語を表示するだけならフレームバッファ対応版 mlterm が使えます
mlterm-x68kgrf --border 0 -p NetBSD_768x512_bg.six
とすると壁紙付きで起動するはずです

Twitter クライアント sayakaさん

X68030 25MHz 12MB でも使用可能(?)な Twitter クライアント sayaka さんも入れてあります
mlterm-x68kgrf の起動後、
sayaka --home --color 16 --ormode on --ciphers RSA
とすると認証要求が出るので、他のマシンで認証するか、いったん CTRL-Z で suspend して w3m 等で認証して PIN を取得してください
(w3m で URL を入れる場合、 "?" 等の記号のエスケープが必要)
タイムライン受信と投稿とは同時にできないので、投稿する場合は認証完了後に
echo [本文] | sayaka --post --ciphers RSA
とかするとできると思います

Mastodon クライアント nanotodon

同じく X68030 25MHz 12MB でも使用可能な Mastodon クライアント nanotodon も入れてあります
mlterm-x68kgrf の起動後、
nanotodon
とすると認証要求が出るので、他のマシンで認証するか、いったん CTRL-Z で suspend して w3m 等で認証して認証コードを取得してください
(w3m で URL を入れる場合、 "?" 等の記号のエスケープが必要)
画面上側が投稿欄、下側がタイムライン表示欄で、トゥート投稿は本文入力後 [ESC] を押せばOKです

終了

終了する場合は su して shutdown -h now 等を入力してください

インストールされているpackages

とりあえず pkgsrc の pkgsrc-2020Q4 を Atari 互換機 Milan その他でビルドした以下のパッケージが入ってます
bash tcsh zsh w3m vlgothic-ttf ipafont unifont freefont-ttf kterm mlterm sayaka nanotodon mozilla-rootcerts libsixel xli git-base git-docs emacs vim nano
NetBSD/m68k 9.1 + pkgsrc-2020Q4 (一部適当に更新) のバイナリパッケージを http://teokurebsd.org/netbsd/packages/m68k/9.1_2020Q4/All/ に置いてあります

イメージ作成および設定内容について

とりあえず公開優先で半手動ですが、一部 i386 用のておくれ Live Image の設定を流用しています
「バイナリパッケージを入れるために使った ISO イメージ」も置いたので、とりあえずそれを見てください
- 20210613版 Live Image 設定用 ISOイメージ
- ファイル名および MD5
  MD5 (setupliveimage-x68k_20210613.iso) = 593e5efbd5ddc342b6c61ebf62d1c359
- サイズ
  Size (setupliveimage-x68k_20210613.iso) = 746,739,712 bytes
気が向いたら github かどこかに置いて説明も書き足します
20210613版の作成時も一部ミスっていてやり直す気力がなかったので、イメージをバイナリエディタで直接修正した箇所があります

困った時は

こういうものの公開する場合のお約束ですが、使用の際は自己責任でお願いします
とりあえず作ってみた版なので何かあれば Twitter 等でお願いします。

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