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「変な法律」管理人のある日の日記です
 
 
 
・「グレーゾーン金利」とは?
ややこしい利息の規制
 
 先日、約700人が消費者金融に対して違法金利返還求め一斉提訴する、というニュースがありました。
 
 提訴されたのは、どんな消費者金融の会社なの。
 
 テレビCMも行っている、いわゆる「大手」の消費者金融です。
 
 大手の消費者金融が違法なことをやっていたの?
 
 その背後には、利息に関するややこしい法規制があります。
 利息に関する法律には「利息制限法」「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」「貸金業の規制等に関する法律」があります。
 「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」は長いので以下「出資法」といいます。
 
 三つの法律があるんだ。
 
 まず、「利息制限法」の利息を見てみましょう。
 
第1条 (利息の最高限)
  金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が左の利率により計算した金額をこえるときは、その超過部分につき無効とする。
  元本が10万円未満の場合
  年2割
  元本が10万円以上100万円未満の場合
  年1割8分
  元本が100万円以上の場合
  年1割5分
 額によって、利息は年15%から20%があるのね。
 
 ここで、実在する消費者金融数社の年間の利息を見てみましょう。
 
A社:8.0〜29.20%
B社:9.50〜28.50%
C社:18.00〜29.20%
D社:15.0〜29.20%
E社:23.36〜27.74%
 あれ、上限30%近くの利息をとっている会社ばかりだけど、これは違法じゃないの?
 
 「利息制限法」では違法になりますが、もう一つの法律「出資法」では合法なのです。
 
第5条 (高金利の処罰)
  第2項
  前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年29.2パーセント(2月29日を含む1年については年29.28パーセントとし、1日当たりについては0.08パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 29.2%以上の利息をとると、罰則があるんだ。だから、消費者金融の利息の上限は、29.2%かそれ以下の近いところで落ち着いているんだ。
 「利息制限法」を無視して、罰則のある「出資法」には違反していないからOKとしているのね。
 
 この「利息制限法」に違反しているけど「出資法」には違反していない利息のことを、「グレーゾーン金利」と言います。要するに、刑事的には合法だけど、民事的には違法な利息のことですね。
 
 法律によって、利息が違うなんてヤヤコシイね。
 
 さらにヤヤコシイことに、例外的に「利息制限法を破ってもいいよ」という規定があります。
 それを規定しているのが、「貸金業の規制等に関する法律」です。
 
第43条 (任意に支払つた場合のみなし弁済)
  第1項
  貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の利息(利息制限法(昭和29年法律第100号)第3条の規定により利息とみなされるものを含む。)の契約に基づき、債務者が利息として任意に支払つた金銭の額が、同法第1条第1項に定める利息の制限額を超える場合において、その支払が次の各号に該当するときは、当該超過部分の支払は、同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす。
 一定の要件を満たす場合は、「利息制限法」を超えて「出資法」で規定されている29.2%の利息も認められます。これが「みなし弁済」という制度です。
 
 「みなし弁済」が認められる要件ってなに?
 
 「みなし弁済」が認められるには、以下の要件がすべて満たされることが必要とされています。
 
1.貸金業者としての登録を受けていること。
2.債務者が約定金利による利息を、任意に支払ったこと。
3.貸付の際に、第17条の要件を満たす書面を交付していること。
4.弁済の際、第18条の要件を満たす受取証書を直ちに交付していること。
5.債務者が、約定金利による利息を利息と認識た上で支払ったこと。
 消費者金融の多くでは、この「みなし弁済」の要件を満たさないのにもかかわらず、「グレーゾーン金利」をとっているのが現状です。
 
 「みなし弁済」の要件を欠く場合は、「利息制限法」が復活して適用されることになるの?
 
 そうです。「利息制限法」の規定で計算をしなおして、過払いになっているときは過払い分の返還を請求することができます。
 
 ホント、利息に関する法律はややこしいね。
 
 ややこしいけれども、お金を借りる側も法律を知って武装する必要がありますね。