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「変な法律」管理人のある日の日記です

・浪曲は音楽でないから著作権ナシな
大審院判決、大正3年7月4日
 
 「浪曲」という、日本の古典芸能をご存じでしょうか?
 
 お爺ちゃんなんかが、よく聴いているヤツだよね。
 「♪タビユケバー」とか。
 
 その浪曲のレコードをめぐる裁判が大正時代にありました。
 
 まだCDなんて無かった時代だね。
 
 大正時代に「桃中軒雲右衛門(とうちゅうけんくもえもん)」という浪曲師がいたのですが、彼の浪曲を吹き込んだレコードをダビングし無断で販売する業者が現れました。
 
 今でいう「海賊版」だね。
 
 そこで、レコードの権利者は、音楽著作権が侵害されたことを理由に、損害賠償を求めて裁判所に提訴しました。
 
 問題なく認められそうなハナシだよね。
 
 しかし、現在の最高裁判所にあたる「大審院」が下した判決は、少々意外な内容でした。
 
大審院判決、大正3年7月4日
 
 大審院は「そもそも、音楽というものは、メロディを客観的に再現するものでなければならず、音譜があるとか、あるいは万人の脳裡に同じメロディとして刻みこまれているようなものでなければならない。雲右衛門節は非常に即興的で再現ということは非常に少ないから、音楽ではない。」と認定した上で、「音楽著作物としての著作権は成立せず、それを侵害しても権利の侵害にはならず、責任を問うことはできない。」とした判決を下した。
 桃中軒雲右衛門の浪曲は、即興的で再現をすることができないから「音楽」ではなく、著作権は成立しないとされてしまいました。
  
 で、レコードを無断で製造販売されても、権利のシンガイは無いってされたんだ。
 桃中軒雲右衛門さんは、さぞかし怒っただろうね。
  
 即興性があり再現性が無いと「音楽」ではないとすると、例えばジャズは音楽では無いということになってしまいそうです。
 
 桃中軒雲右衛門さんの浪曲が先進的すぎて、大正時代の裁判官には理解されなかったのかもしれないね。