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「変な法律」管理人のある日の日記です

・離婚に関する法律が無いから離婚不可?
東京地方裁判所判決、昭和56年2月27日
 
 「国際結婚」は、既に珍しい婚姻の形式ではなくなりましたが、今でも時として複雑な法律問題に発展することがあります。
 
 えっ、なんで?
 
 二つの国の、それぞれ異なった法律が登場することになるからです。
 
 あっそうか。日本人が外国の人と結婚したときは、日本の法律とお相手の国の法律が問題となるんだね。
 
 もし、日本の法律と結婚相手の国の法律との間に矛盾が生じたとき、どちらの国の法律が適用されるのかが大きな問題となります。
 
 そんなとき、どうすんの?
 
 日本国内の法律関係については、「法の適用に関する通則法」という法律で解決をすることになります。
 この法律は、平成18年に、従来の「法例」という法律の全面改正という形で成立しました。
 
 「法例」っていう法令があったんだ。発音が一緒だからややこしいね。
 
 国際結婚をした夫婦の離婚をめぐり、この旧法例が問題となった裁判がありました。
 ある日本人の女性がフィリピン人の男性と結婚し二人の子供を出産をしたのですが、夫である男性の行方が知れなくなってしまいました。
 
 サイテーな男だね。
 
 そこで、妻である日本人の女性が、夫のフィリピン人の男性に対し、離婚を求めて裁判所に提訴をしました。
 しかしここで、大きな問題が発生しました。
 
 どんなモンダイだったの?
 
 従来の「法例」の規定では、この離婚裁判で適用される法律は、夫の国籍である「フィリピン共和国」の法律であるとされました。
 しかし、フィリピン共和国には離婚を規定した法律が存在しないことから法的に離婚することはできないのではないか、となりました。
 
 リコンについての法律が無いってスゴイ国だね。
 で、リコンできないってコトになっちゃったの?
 
 東京地方裁判所は、以下のように判断をしました。
 判決原文から、その問題の部分を引用します。
 

東京地方裁判所判決、昭和56年2月27日
 
 本件離婚の準拠法は、法例16条により夫たる被告の本国法、すなわちフィリピン共和国の法によるべきところ、同国法は離婚に関する規定を欠き、したがって、反致もまた認められないものと解される。
 しかしながら、妻たる原告が日本国民であり、しかも日本に住所を有すること、原被告が日本において婚姻し、その婚姻生活も日本において営まれたこと、被告が原告を悪意で遺棄した場合であることなど、前記認定の原被告間の婚姻関係の実情からすると、かかる場合にまで、なお夫の本国法であるフィリピン共和国法を適用して離婚の請求を認めないとすることは、わが国における公の秩序、善良の風俗に反するものというべく、本件については、法例30条により前記フィリピン共和国法の適用を排斥し、法廷地法であるわが国の民法を適用すべきものと解するのが相当である。

 判決文にある「準拠法」とは、適用される法律のことをいいます。
  
 フィリピン共和国の法律が適用される事例だけれども、そうすると問題あるから日本の法律が適用される、ってコトね。
  
 その上で、フィリピン人の男性との間に、日本の法律に基づく離婚が成立するとした判決を下しました。
 
 そうなんだ。サイテーな男と手が切れるコトになって良かったね、ホッとしたよ。
 
 なんだか、実感がこもっていますね。