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「変な法律」管理人のある日の日記です

・マジック用でも加工しちゃダメ!
手品師に対して厳しい判決
 
 手品師はよくコインを使用したマジックをします。
 
 ちょっと前、タバコが500円玉を通り抜けるマジックが流行したね。
 
 手品師は事前に中をくり抜くなどの加工をした貨幣を用意するのですが、「貨幣損傷等取締法」では貨幣を損傷することを禁止しています。
 
「貨幣損傷等取締法」 昭和22年12月4日
 
第1項
 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
 
第2項
 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。
 ここで、注目していただきたいのは、第2項です。
  
 コインを損傷する目的で集めるコトも禁止されているんだね。
  
 マジック用に加工することを目的として貨幣を集めたとして、ある手品師が「貨幣損傷等取締法」違反容疑で刑事裁判の被告人とされました。
 先日、この事件の判決が東京地裁でありました。
 

平成19年4月13日 東京地裁判決
 
 東京地裁は、「マジック用途であっても、硬貨の加工目的での収集を禁止することは、貨幣の信用を保護するためにやむを得ない」として、手品師に対して有罪判決を言い渡した。

 えー、手品師は有罪になっちゃったんだ。
 じゃあ、手品師は加工したコインを使ったマジックはできないの?
 
 外国の貨幣でしたら「貨幣損傷等取締法」の対象外ですので、収集、加工することができます。
 
 日本のコインを使ってマジックをやったら、警察から「そのコイン、どこから入手したんだ!」ってオトガメを受けるかもしれないね。
 
 ところで、この裁判の審理の様子は非常に面白いものであったとのことです。
 3月にこの事件の初公判が開かれたのですが、その場で、加工をしたコインがいかに手品にとって重要であるのかを証明するため、日本奇術協会の副会長が法廷で実際にコインを使った手品を披露したそうです。
 
 えー、法廷で手品をしたの?傍聴していた人はラッキーだったね。
 
 報道によると「傍聴席からは歓声が漏れ、裁判官も目を丸くして見ていました」とのことです。
 
 裁判官もビックリなコインの手品だったんだね。
 
 真実を見抜くことが職業の裁判官でも、マジックのタネは分からなかったようです。
 そして、この状況を面白くないと思ったのか、検察官がコインのマジックのタネあかしを傍聴席に向かって始めたそうです。
 
 ははは。
 子供みたいに「オレにはタネが分かったもんねー」ってカンジだったのかな?
 
 そして、この手品師に対する有罪判決が、別の裁判を引き起こすことになったというニュースが入ってきました。
 
 どんな裁判になったの?
 
 いくつかのテレビ局がこの手品師の有罪判決を報道したのですが、報道の中で加工したコインがどのようにマジックで使用されているのかを実演をまじえて説明してしまったそうです。
 
 つまり、テレビで手品のタネ明かしをしちゃったんだ。
 
 この報道に対して、全国の手品師49人が、日本テレビとテレビ朝日に対して損害賠償と謝罪放送を求めて東京地裁に提訴しました。
 裁判の原告である手品師側は「手品のタネは、手品師にとっては共有財産で法的に保護されるべき」と主張しているとのことです。
 
 手品師にとってはタネが重要な財産だっていうのは分かるけど、裁判にするってスゴイね。
 
 気になったのは「傍聴席に向かってタネ明かしをした検察官は訴えられないのか」ということです。
 「手品のタネは、手品師にとっては共有財産で法的に保護されるべきだ」とするのならば、検察官も法的に保護されている権利を侵害したと考えることができます。
 
 きっと、検察官がタネ明かしをしたマジックは、手品師にとってはたいしたモノじゃなかったんじゃない?
 
 この手品師のテレビ局に対する裁判の行方については、続報が入りしだいご報告したいと思います。