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「変な法律」管理人のある日の日記です

・裁判所が訴えられて裁判所が裁判
「東京地裁厚生部事件」最高裁判所判決 昭和35年10月21日
 
 かつて裁判所が訴えられるという、非常に奇妙な裁判がありました。
 東京地裁の建物の中に「東京地方裁判所厚生部」という部署がありました。
  そして、その「東京地方裁判所厚生部」と取引をした業者が、東京地裁を被告として損害賠償を求めて訴えを提起しました。
 
 えーと、どこの裁判所に訴えをおこしたの?
 
 東京地裁へ訴えをおこしました。
 
 ということは、その業者は「東京地裁は損害賠償しなさい」と東京地裁を訴えたの?
 
 そうです。
 この事件では「東京地方裁判所厚生部」が裁判所職員により福利厚生のため作られた団体にすぎず、東京地裁自体とは関係が無かったため問題となりました。
 
 だったら、東京地裁自体には責任は無いんじゃないの?
 
 ところがそうでもなくて、民法や商法には、他人に対して自己の名前等を表示することを許諾した場合、その他人が第三者に対して損害を与えたときは自己もその責任を負うとした規定があります。
 
 ええとつまり、東京地裁が他人に対して「東京地方裁判所厚生部」という名称を表示することをキョダクしたんだから、「東京地方裁判所厚生部」が第三者である業者に与えた損害の責任を東京地裁も負うのかが問題になったのね。
 で、裁判はどうなったの。
 
 東京地裁は、業者側敗訴の判決を下しました。
 
 ということは、「東京地裁に責任は無いよ」って、東京地裁が判断したんだ。面白いね。
 
 そして東京高裁でも業者側が敗訴し、上告して最高裁までいきました。
 最高裁は以下のように判決を下しました。
 
最高裁判所判決 昭和35年10月21日
 
 最高裁は、「一般に官庁の部局をあらわす文字である『部』と名付けられ、裁判所庁舎の一部を使用し、現職の職員が事務を執つていた『東京地方裁判所厚生部』は、東京地方裁判所の一部局としての表示力を有するものと認めるべき」として、東京地方裁判所厚生部のした取引について東京地裁にも責任があると判断した。
 最高裁は、一転して東京地裁の責任を認める判決を下しました。
 裁判所が訴えられるという前代未聞の裁判は、裁判所の敗訴という形で決着がつくことになりました。
 
 同じ裁判所の仲間でも容赦しない最高裁はカッコイイね。
 東京地裁も
、「敗訴する」っていうのがどんな気持ちなのか分かったという点ではよかったのかもしれないね。