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・市長の給料1円ナリ
「(栃木県大田原市)市長等の給与に関する条例」 昭和31年11月1日
 
 一般に地方公共団体が自主的に制定する法規のことを「条例」といいますが、多くの場合、市長などの給料もこの条例で規定されることになります。
 
 税金からお給料をもらうんだから、条例できっちり規定されているってコトね。
 
 栃木県大田原市の市長の給料も、「市長等の給与に関する条例」で以下のように規定されています。
 
第2条(給料)
市長等の給料は、次のとおりとする。
 
 市長 月額 970,000円
 副市長 月額 760,000円
*1
 市長さんは、毎月97万円のお給料をもらえるんだね。
 
 そして、この条例には「附則」があります。
 
 フソクって?
 
 法律の規定は、「本則」と「附則」の二つから構成されています。
 附則には、法令の施行期日といった、本則に関連し必要となる事項が定められます。
 
 つまり、法律で規定しておかなきゃイケナイけど、メインテーマではないコトが附則に書かれるんだね。
 
 この条例には、以下の附則があります。
 
附則
(給料に関する特例措置)
第7項
 平成22年7月1日から平成26年4月7日までの期間に限り、第2条の適用については、「970,000円」とあるのは「873,000円」と、「760,000円」とあるのは「706,000円」とする。
 
第8項
 前項の規定にかかわらず、平成23年4月1日から平成23年4月30日までの期間に限り、第2条の適用については、「970,000円」とあるのは「1円」とする。
 
第10項
 第7項の規定にかかわらず、平成24年4月1日から平成24年4月30日まで、平成25年4月1日から平成25年4月30日まで及び平成26年4月1日から平成26年4月7日までの期間に限り、第2条の適用については、「970,000円」とあるのは「1円」とする。
*1
 ここで注目をしていただきたいのは、8項と10項の規定です。
 
 ええっ、お給料が1円!。
 ここの市長さんは、イジメを受けているの?
 
 イジメではなく、附則にこの規定を加えたのは、他ならない大田原市の津久井市長とのことです。
 
 でもなんで、自分のお給料を「1円」にするなんてコトしたの?
 
 津久井市長は、自らの退職金をゼロにすることを公約として当選しました。
 しかし、大田原市の市長の退職金の算定は県の組織で行っていて、その組織の規約を改正することは困難とのことでした(*2)。
 
 で、お給料を「1円」にする附則ができたってコトね。
 でも、4月のお給料を「1円」にすることと、退職金をゼロにすることにどんな関係があるの?
 
 市長の退職金の算定基準は、毎年4月の給料を基準とします。
 毎年4月の給料を「1円」とすると、市長が退職時に受け取る退職金は「20円」になるとのことです。
 
 退職金が20円!
 毎年4月の給料を「1円」にしたことで、選挙コウヤクがほほ完全に達成されることになったんだね。
 
 以前、市長の退職金をゼロにする条例を制定した久留米市の例をご紹介しましたが、条例で給与を「1円」とすることで退職金をほぼゼロにする手法には関心させられました。
(条文引用元・参考文献)
*1:「市長等の給与に関する条例」(大田原市)
*2:下野新聞
 
※いずれも2012年7月10日確認