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・「海賊」を法律的にいうと?
「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」 平成21年6月24日
 
 法律の役割の一つに「秩序維持」がありますが、そのために多くの犯罪と刑罰に関する法律があります。
 この「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律」も、それらの中の一つです。
 
 カイゾクって、船を襲って金品を奪って行く人たちのコトだよね。
 大昔のハナシかと思っていたけど、いまでもカイゾクをする人がいるの?
 
 それがいるのです。
 この法律が制定されたのは2009年(平成21年)ですが、2005年より日本のタンカーなどが国外で海賊に襲われる事件が多発しました。
 
 で、カイゾクを取り締まる法律ができたってワケね。
 
 この法律では、取り締まりの対象である「海賊行為」について、以下のように規定しています。
 
第2条 (定義)
 この法律において「海賊行為」とは、船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶を除く。)に乗り組み又は乗船した者が、私的目的で、公海(海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。)又は我が国の領海若しくは内水において行う次の各号のいずれかの行為をいう。
 
第1号
 暴行若しくは脅迫を用い、又はその他の方法により人を抵抗不能の状態に陥れて、航行中の他の船舶を強取し、又はほしいままにその運航を支配する行為
 
第2号
 暴行若しくは脅迫を用い、又はその他の方法により人を抵抗不能の状態に陥れて、航行中の他の船舶内にある財物を強取し、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させる行為
 
第3号
 第三者に対して財物の交付その他義務のない行為をすること又は権利を行わないことを要求するための人質にする目的で、航行中の他の船舶内にある者を略取する行為
 
第4号
 強取され若しくはほしいままにその運航が支配された航行中の他の船舶内にある者又は航行中の他の船舶内において略取された者を人質にして、第三者に対し、財物の交付その他義務のない行為をすること又は権利を行わないことを要求する行為
 
第5号
 前各号のいずれかに係る海賊行為をする目的で、航行中の他の船舶に侵入し、又はこれを損壊する行為
 
第6号
 第1号から第4号までのいずれかに係る海賊行為をする目的で、船舶を航行させて、航行中の他の船舶に著しく接近し、若しくはつきまとい、又はその進行を妨げる行為
 
第7号
 第1号から第4号までのいずれかに係る海賊行為をする目的で、凶器を準備して船舶を航行させる行為
 ずいぶんたくさんの「海賊行為」があるんだね!
 
 これらの規定の中で驚かされたのは、6号と7号です。
 
 ええと、「海賊行為」をするために船舶に近づいたりしただけで、第6号の犯罪になっちゃうんだ。
 で、凶器を準備して船舶を航行させたら、やっぱり第7号で犯罪なんだ。
 ずいぶん厳しいね。
 
 一般的なイメージより広い行為を「海賊行為」と規定し、取り締まりの対象としているようです。
 また、取り締まり方法についても厳しい規定があります。
 例えば、海上保安庁の権限について、以下の規定があります。
 
第6条
 海上保安官又は海上保安官補は、(中略)現に行われている第3条第3項の罪に当たる海賊行為(第2条第6号に係るものに限る。)の制止に当たり、当該海賊行為を行っている者が、他の制止の措置に従わず、なお船舶を航行させて当該海賊行為を継続しようとする場合において、当該船舶の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるときには、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。
 この規定により、海上保安庁は、海賊行為を目的とした船舶が進行を停止しない場合、最終手段として武器の使用が可能となります。
 また、他にも海賊行為に対する自衛隊の対処についての規定などもあります。
 
 「自衛隊の対処」ってコトは、武器の使用についての規定だよね。
 なんか「カイゾクに容赦すんな!」っていう怒りが伝わってくる法律だね。