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・法律界の生きている化石
「陪審法」 大正12年4月18日
 
 一時期、日本でもアメリカのように、一般市民から選ばれた陪審員が犯罪の事実判断を行う陪審裁判が「陪審法」により行われていました。
 
 確か、前にやった「陪審法ノ停止ニ関スル法律」で陪審法は停止されているんだよね。
 
 そうです。「停止」であって廃止ではありませんから、陪審法自体はまだ生きています。しかし、陪審法には時代錯誤な規定がたくさん残っています。
 
第4条
  左ニ掲クル罪ニ該ル事件ハ前二条ノ規定ニ拘ラス之ヲ陪審ノ評議ニ付セス
  第1号
  大審院ノ特別権限ニ属スル罪
  第3号
  治安維持法ノ罪
  第4号
  軍機保護法、陸軍刑法又ハ海軍刑法ノ罪其ノ他軍機ニ関シ犯シタル罪
 第4条は、陪審員のよる裁判を行うことができない罪についての規定です。
 第1号の「大審院」とは、現在の最高裁判所のことをいいます。
 
 第3号の「治安維持法」って、悪名の高かった法律だよね。
 
 そうです。第3号の規定から治安維持法の罪に関する陪審裁判は行われなかったことが分かります。
 この治安維持法もそうですが、第4号の「軍機保護法」「陸軍刑法」「海軍刑法」は当然廃止されています。
 
第12条
  陪審員ハ左ノ各号ニ該当スル者タルコトヲ要ス
  第1号
  帝国臣民タル男子ニシテ三十歳以上タルコト
  第3号
  引続キ二年以上直接国税三円以上ヲ納ムルコト
 第12条は、陪審員の資格についての規定です。
 第1号の「帝国臣民」とは国民のことをいいます。
 
 「男子ニシテ」だから女性は陪審員になれなかったんだ。ひどいね。
 
 第3号は、陪審員になるには税金を納めていることが必要と規定しています。陪審員に求められるのは事実の判断能力ですから、男性に限るとした第1号と第3号はどのような理由から規定されたのか分かりません。
 
第14条
  左ニ掲クル者ハ陪審員ノ職務ニ就カシムルコトヲ得ス
  第1号
  在職ノ判事、検察官、陸軍法務官、海軍法務官
  第3号
  在職ノ行政裁判所長官、行政裁判所評定官
  第5号
  現役ノ陸軍軍人、海軍軍人
 第14条は、陪審員になることのできない職業についての規定です。一部しか引用しませんでしたが、今ではお目にかかることのない職業がたくさん列挙されています。
 第1号の「陸軍法務官」「海軍法務官」という役職は当然ありませんし、第3号の「行政裁判所」もありません。
 
 第5号の「陸軍軍人」「海軍軍人」も当然いないよね。
 
 ご存知のように、刑事裁判には裁判員制度が導入されることから、陪審裁判はこの先行われることはないと思われます。よって、この陪審法が日の目を見ることも改正されることもないでしょう。
 
 ということは、陪審法は時代錯誤な規定を残したまま生き続けるということね。法律界の生きている化石だね。