パルナス(ПАРНАС)日記---風雲編

since 1998/11/23
last update 1999/07/07
11/23
9月に本社に行って、雰囲気があまりに暗かったので、すっかり意気消沈して。日記をずっとさぼってた。
その間、天神橋筋に店があるという情報に心踊らせて訪問するも、あるべき地点に店は無く、意地になって天神橋筋を端から端まで歩いたりした。入ってくるのは、板尾の両親がやってた三国が丘店がつぶれたとか相変わらずの閉店情報。つぶれた店が本当につぶれたのかどうか確認する作業が空しくて、思えば自分からパルナスに対して意識的に距離を置いていたのかもしれない。阪急伊丹駅の新駅舎完成に伴い、仮設売り場から新売り場に移行するタミータウン(伊丹駅の商店街)にパルナスが生き残っているかどうかだけが、当面の関心事だった。
そんな時だった、つじさんから突然の悲報が雷鳴のようにもたらされたのは。「パルナスはケーキを作ることをやめて、工場は閉鎖、曽根と寝屋川の喫茶だけが残っている」
何と言うことだ、頭の中を、バースデーケーキが、スカーヅカが、ボリショイが、ロシア風パイが、プリンが、、、そしてクレーモフが、何度もよぎった。
何故なんだ一体何故?どう表現したら良いのだろう、「沈黙」で殉教者が神に問うた無常感、「神々は渇く」で主人公がフランス革命の歴史の大きなうねりの中で感じた無力感、「審判」のKが処刑の瞬間に「まるで犬みたいだ」と吐き捨てたときの不条理感。

翌日、兎にも角にも曽根に向かう、駅を出ると左手の喫茶の看板が見えた。営業しているのか?一瞬不安に襲われる。だが、まずダイエーへ。つじさんからの報告通り、パルナスのあった場所、否あるべき場所には、ビールの箱がうず高く積み上げられていた。ビールを勧める店員も居ないようなので、急ぎ喫茶に向かう。
良かった、営業してた。観察した店内は、以前とほぼ変わらないただずまいを見せていた。メニューを開くと、ところどころ消された跡がある。例えば、モンブランが消えていた、工場閉鎖の余波なのだろう。ピロシキは、残っていた。チーズケーキのセットを注文。
女主人に話を聞きました。「景気が悪くてケーキが売れない」なんて、力なく笑ってました。10月いっぱいで、工場は操業を停止したそうです。そして、上津島の工場は、つぶすことに決まったそうです。喫茶2店の方は、営業を続けるけど「ピロシキもいつまで出せるかどうか分からない」そうです。現在は、休業している高速店の厨房が広いので、そこを使って何か作ろうかどうか検討しているそうです。「えっ、高速店は確か売却に出ていたんじゃ」と、思わず問い返すと、「まあ、あれは、一応出してみたんですよ」と苦笑されてました。
おそらく、ケーキを作れば作るほど、赤字が膨らむ状態だったんじゃ無いかと推察される。工場を休ませるので無く、本当に潰してしまうというのは、ショックだったが、高速店の話は、本当に一筋の光明を見る思いだった。パルナス未だ死なず、高速豊中店を起点に、復活の日を迎えるために、何から始めれば良いのかわからないが、これからもパルナスを応援し続けねばと、強く心に誓うのであった。


11/28
あんまし、新ネタはないけど。
世には倒産企業情報なんてものがありまして、それで、恐る恐る「パルナス」を調べました。良かった、倒産はしてません。だけど、ここ3年とかの業績をみると、非常にまずいです、パル株は誰が持っているのかは不明ですが、ここ3年は無配でした。ここ2年利益がほとんど有りませんでした。結局、不景気の波をもろにかぶったのかな、という印象。ただし、資産は多いと言う評価でした。ただし、商品的に今後の展望は非常に厳しいと言う評価でした(涙)。
ううむ、各種情報を非常に冷静に判断すれば、結局は現在の社長(神戸市在住だそうです)の意向による部分が非常に大と判断します。きっと、跡継ぎが居るとか居ないとかそういった問題が関与しているような気がするのです。
一万人くらいの存続署名を集めたら社長さんも考えてくれるかな

12/03
現在考えてるのは、出版関係のこと、来年以降の逆襲計画
「パルナスの想い出」の拾遺集をまとめておくべきかなと思った。


12/15
何か進展のないまま日々が過ぎていくのが、いまいましい。まあ、HPの更新すらままならないのですが。
不止思ったんだけど、現在考えてるのは、出版関係のこと、来年以降の逆襲計画
「パルナスの想い出」の拾遺集をまとめておくべきかなと思った。


12/24
先日の土曜、曽根店に行って、情勢を聞いてきた。
もしかしたらピロシキが無いかもと危惧していたが、良かった、店頭に「ピロシキ150円」。堂々とセットを頼んだんだが、なぜか「これが本当のピロシキです」と出来たてを渡される。食べてみると、いつもよりパン生地が厚いような気がする。
食べ終わり、店内撮影の許可を求め、快諾を得る。実は様子を伺うと共に、撮影も今回の目的(写真は近日アップします)。
一通り撮影して、いつもの女性と雑談。
まず、さっきのピロシキ、実は週1で社長が曽根にやってきて100個作っているそうです。それまでは工場で作っていたので、今の形が*本当*。「ここは、厨房が狭いから1回に100個が限度なんです」、「万博のときは、この形だったんですよ」。さあ、今、曽根に行けば、(売り切れてなければ)社長手製のピロシキが食べられますよ。
今後の展望は、残念ながら分からないそうだ。「社長の頭の中にだけあります」
残念ながら、今年はクリスマスケーキは頂けなかったが、兎に角、今後の展開に目を離せない。

12/26
昨日、東京から問い合わせのメールが来た。
「いいともで、鶴瓶が『パルナスが倒産した』と言ってましたが、本当ですか?」
何だと!ついこの間、曽根に行ったばかりじゃないか、嘘だろう。そんな筈はない。と思いつつも、「もしかしたら」という一筋の疑念が消せず、悶々と一夜を過ごす。
昼頃、早速、上津島の本社に問い合わせの電話を掛ける。呼び出し音の何と長かったことか、「つかぬ事を伺いますが、、」とテレビなど事の経緯を説明し、「倒産はしてませんよね」と恐る恐る尋ねる(バクバクバク)。「してません」
なあんだと、肩の荷が降りると同時にふつふつと沸き上がる怒り。「鶴瓶め〜」
とにかく、これ以上間違った情報をまき散らすことは、断固として阻止せねばならない。そのためには、、次の瞬間、私はごく当然の事のように、104で松竹芸能の連絡先を調べ、テレビ部に電話していた。
「もしもし、そちらの所属の芸人さんの出演されたテレビ番組に対する、意見は、こちらでよろしいでしょうか?」「どういった事でしょうか?」電話に出たのは若い女性の声だった。「え〜と、そちらに鶴瓶さんおられますよね、先日の笑っていいともで、、」(以下略)
以下、伝えたことの要約です。
・パルナスは倒産していないので、その発言は事実に反する。
・倒産した発言が、厳しい景気の昨今、経営の信用問題に悪影響を与える恐れがある。
・事実と異なる発言を、これ以上、流布されるのを止めてもらうために電話した。
・できれば、この発言を番組などで訂正してほしい。
これに対して、「パルナスの方ですか?」と聞かれましたが「いいえ、パルナスを応援するHPをやっているものです」と答え、自宅の電話も教えました。
まあ、彼女の権限では何も言えないので、上司と相談して明日回答を下さるそうです。
ということで、前向きな回答を期待しながら、今夜は枕を高くして寝れそうです。

12/29
上の続きを報告します。
26日に、松竹芸能に再び電話、「いいともの件で」と事情を説明し上司の高山さんという男性に代わる。倒産してないの件に関しては、了解で、鶴瓶さんにも伝わっているとの話し。いいともの当日のコーナーの担当者にも連絡をとるので、対応に関しては、フジTVのいいともデスクをあたってほしいという話し。
早速電話するが、なかなかデスクは電話に出てくれない。何回か後に漸く出るが、担当の松永ADは不在、で携帯の番号をきく。
その夜は留守電になってたので、こちらの携帯番号を吹き込んでおく。翌27日も掛けてみるが、留守電。「まあ、日曜だし、仕方ないな」と思う。
翌28日、何回か電話するが相変わらず留守電。そろそろ切れかかるが、夕方ようやく通じる、松永さんは意外なことに(別に何か想像していた訳ではないが)若い女性だった。彼女から聞いた、発言の内幕は、、、
「パルナスのケーキを食べたいと言う話になったんですよ、それで調べてパルナス商事というところに電話したんです」「パルナス商事は、ケーキのパルナスとは別の会社なそうなんですけど、そこで工場を潰すという話を聞いて、、」「その話を聞いて、鶴瓶師匠がびっくりして、番組の中で、ああおっしゃったんでわ、、、」
なるほど、大体わかった。やっぱり伝言ゲームの中で、誤解が生じていたようだ。しかし、何とタイミングが悪いんだろう、もうちょっと早ければ、パルは言うまでもなく、スカーズカの箱の不機嫌な赤ちゃんの顔(すくすくホームページ参照)が、紹介されたかもしれないのに。
次の、いいともは正月明けになるので、まだ何をやるかは決まっていないが、このことは鶴瓶師匠にも話しているので、取り上げるかもしれないそうだ。
松永さんは、ナイトスクープの話も知ってたし。大阪でパルナスがどんなに重要?であるかも認識されているようだった。わたしとしては、事態を正しく認識して貰うことが重要で、謝罪にこだわるつもりは無いので、納得して「スタッフの皆さんによろしくお伝え下さい、頑張って下さい」と気持ち良く電話を終えた。
まあ災い転じてというか、このことで、いいともに限らず、鶴瓶師匠が他の場でもパルナスを取り上げて、来年はパルナス復活と、正月は楽しい初夢を見ることにするか。

1/6
新メニューありとの書き込があったので、曽根に今年度初の出陣。
あった、あった、ブッフェに行った人なら分かるでしょうが、例の毛筆の張り紙(以下原文通り)

つぼ料理 ロシアのビフシチュ ガルショーシカ
寒い北国の人々 温かい食生活で長い冬を耐え春を待つ

そうだパルナス、今は耐える時期なんだ。私も、つぼ料理を食べて一緒に耐えることにしよう。800円というパルナスにしては挑戦的な値段設定に(セットぢゃなくて単品でですよ!)、鼻息の荒さが感じられる。
しばし待機、店内にグルリと眼を走らせる。年始年末の営業予定の張り紙がレジ前に、何と営業時間は短縮していたが年始年末皆勤無休、この辺にもこの店の心意気が感じられる。
さて、料理登場。マグカップより2.5回り位大きな器をもっさりと覆うパイ皮、その下は予想に反してブラウンソース、そして色とりどりの野菜たちとビーフがぎっしり。間食の心算で頼んだのに、不覚にも何時の間にか満腹。
「料理密度」*は、そんぢょそこらの平皿料理では実現不可能な高水準値であろうと推測される。正に、狭い日本向けの料理と言えよう。皆さんも一度お試しあれ。
*「料理密度」=「料理の質感」/「料理の底面積」

1/31
久々に、確認のため寝屋川へ行く。
夕刻だったが、営業中、ちょっと安心。
以前のケーキ売り場は、どーんとショーケース
(少ないメニューの)になっていた
喫茶に入って、まず気付いたのは、
入って右奥にパルちゃんの新オブジェが、、、
サンドイッチとロシア紅茶を食しながら、
「うう、立地は良いのだから、もう少しメニューも考えたら」
と、思ってしまった。
ケーキセットがあるので
「ケーキはどうしてるんですか」と質問したら
「まあ、作ってます」との回答でした。

2/14
曽根へ行く。
いきなり、店前に、ひな祭りキャンペーンの張り紙。何やら、壷焼きかピロシキセットを頼むと、景品カップが貰えるらしい。これを逃す手はない。
とりあえず、ピロシキセットを頼んで、メニューを視察。すると、親分のメニューに挟まれ照る、サブメニューが、1枚から2枚に増えてるではないでか。
パンパカパーン(死語^^;)新メニューを以下に紹介します。

牛肉と野菜の壷焼き:ビーフシチューベース:800円(これは、この前紹介したやつ)
海老と野菜の壷焼き:クリームシチューベース:600円
マカロニグラタン:550円
小海老のドリア:600円
そして、そしてです。ついに、コースメニューが発表されました。
おすすめコースメニュー
牛肉と野菜の壷焼き:牛肉と野菜のをシチューベースでじっくり煮込みました。
スメタナ:生クリームを贅沢に使ったカニの身の入ったグラタン。
ボルシチスープ:トマトとビーツをブイヨンでじっくり煮込みました。
ピロシキ:パン生地の中には、和牛ミンチと玉葱と玉子が入っています。
ロシア紅茶、叉はアイスクリーム。
1800円

これこそ、パルナスの粋の集大成とも呼べるメニューと思う。近日、トライ予定。

帰りに貰った、カップはパルちゃんが居なかったのでちょっと残念だったが、パルナスの文字はきっちり刻印されているので、愛好家は、必携ですな。
3/13
最近、昼の業務多忙のため活動停滞。HPも1ヶ月さぼってた。
今日はその間に、寄せられた、貴重なタレ込みを紹介します。
パルナス関係者の親戚筋によりますと、何とCMに登場していた赤ちゃんは、モスクワ人でなく、日本男子だった(筆者推測によると今でも日本人である可能性が高い)そうです。
当時のTV局関係者の、お子さんだったそうで、現在は37才になられるそうです。1/3世紀以上前の話だったんだと思うと、何か歴史を感じます。

7/7
最低月に一回は曽根店には偵察には行っていたのだが、とりたてて変化はなく(入り口近くに置かれていたパルちゃん人形が、店の中心に移動していたとか、程度の変化)、ずっと、更新をさぼっていた。
The world was as it is everyday.
There was neither a special breeze, nor a violent wind, nor an extraordinary calm.
And we did not notice its presence. ( Albert Camus : Intuition ) 
世界は相変わらずだった。特別なそよ風も無ければ、激しい暴風も無く、
かと云って異常に静寂なわけでもなかった。そして、私たちは、それに気付かずにいた。
そのメールは来た、「突然ですが、インターネットを引退します」。パルナスHPの先輩、まさこさんからだった、寂しすぎる。でも、観ていただけるか分からないが、私は彼女の決意に敬意を表し、今後の彼女と御家族の幸福を切に願います。
同時に、こうして中途半端な状態で、まんじりともせずにいる自分のHPの現状にも半ば自己嫌悪を覚えた。
ということで、今後も可能な限りパルナスは見守っていきますが、日記のこの巻は閉じることにします。

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