ETARETA

このロゴが気にいり買ってしまった。よく見ると王冠の形をしてる。



正面に刻まれたエタレッタの文字、その上の巻き上げノブ中央にはeta PRAHA の文字が会社のロゴであろうか刻印されている。
ボディー上面(写真上の右)から見るとシンメトリカルで美しいデザインだ。だが、よく見るとレンズはボディー中央にはなく正面から見て左に1cmほど寄っているのがわかる。キチンとカメラのホールド性を考えてのデザインだと思う。工業デザインのレベルの高さを物語っている。



装着されているレンズはエタールIVだが、ボディーのシリアルは他で見たIIIが装着されているものよりも若くて22917である。今まで確認した個体はいずれもIII装着でシリアルは4万代か5万代であった。果たしてタイプIやII 搭載のモデルがあったのか? 本当に二年足らずしか生産されなかったのか? 謎が多い。


しっかりとした裏蓋ロック部分はアルミの削り出しだ。

巻き取りスプールのみ鉄板プレスである。


エタレッタに関する情報を募集いたします。所有している方は、
ノブの形状、装着レンズ、シリアルナンバーなどをお知らせいただければ幸いに存じます。 TAK宛にメールをください

*MEOPTA 社HPに掲載されていますが、メオプタ製品ではないようです。どうもあのページはチェコのカメラの歴史といった趣旨で作っているようです。
 製 造 国
 チェコスロヴァキア
 形式・タイプ
 35mmコンパクトカメラ
 画面 サイズ
 24x36mm 135フイルム使用
 レンズ  ETAR IV 5cm F3.5 3群3枚
 最短撮影距離0.75m、最小絞りF16
 シャッター
 T、B、 1/10, 25, 50, 100, 200
 ETAXA
 ファインダー
 逆ガリレイ式
 製造年度
 1946〜48年
 メーカー
 ETA

このカメラの存在を初めて知ったのは、エタレッタ・クラブのサイトである。その時は単にチェコのカメラ?物好きもいるものだと感じただけだった(そういう自分も露西亜、中国カメラに興味を抱く同じ輩なのに ^^)。ところが仕事帰りに中古店で燻っている此奴を見たら不思議と気になって仕方がないのだ。家に帰ってからウェブ上を海外も含めてあちこち見回したが前述のサイト以外に殆ど情報がない。そんな中で国内サイトの売り物で13000円と48000円の二台があったのは驚きであった。僕が見つけたのは汚いけど6500円、こりゃあ買ってみるしかないと、休日にわざわざ新宿まで行って買い求めたのである。
手にとってみて先ず驚いたのは造りの良さだ。目測式のコンパクトカメラなのに実にお金が掛かっている。本ページの写真でどれほど伝わるかは疑問だが、アルミの削りだしパーツを多用しており金属の塊感が伝わり手にずしりと重い。裏蓋を開けて鏡胴の裏を見て再度驚いた。なんと内側を削ってサイプを付けて内面反射を防止するという手の入れようだ。いやいや、これまでバカにしていた僕は脱帽した。
なるほどよく見ると、堂々と正面にMADE IN CZECHOSLOVAKIAの文字が刻まれているではないか。このように生産国名が正面に大きく刻まれているカメラは見たことがない。それだけ自身と誇りを持って生産した証かもしれぬ。
レンズは自社製だと思うがETARの名が付けられ、IVと記されているのでタイプ4なのだろう。所謂トリプレットタイプであると思う。F3.5と実に平凡だが絞り羽が10枚もあり並ではないなと感じさせる。鏡胴はアルミで肉厚がありしっかりしており、沈同を伸ばしても固定鏡胴のようだ。だが、沈同どいっても15ミリなので、その恩恵はあまりない。
組み合わされるシャッターも自社製のようでETAXAの名が真鍮製のエンブレムに刻まれて正面に付されている。エヴァーセットタイプだが50年以上経た現在も正確に動作しているようだ。
ファインダーは接眼部が小さく見難いようだが、まあ普通といったところか。内部ではフイルムレールが実にしっかりしている。裏蓋もアルミの鋳造でロック部分はアルミの削りだしだ。もちろん巻き上ノブなどのパーツもアルミの削りだしであり金属好きにはたまらん造りだ。
さて、操作性だがハッキリ言って面倒である。もっとも、この時期のカメラは仕方ないので、@巻き上げ、Aシャッターチャージ、B撮影の順番を身に付ければ二重撮りやコマとばしをする事はないであろう。
それでは、肝心の写りはどうか? これが良く写るのである。3枚玉の実力というのはソ連製でも味わっているが、此奴も決して負けてはいない。
デザイン、造りの良さと相まってこのカメラの魅力は使うほどに増していきそうだ。

他バージョンの紹介、使用方法、チェコカメラ情報は下記を参照下さい
ETARETA CAMERA CLUB

エタレッタのメンテナンスに関するメールをデジアナオヤジさんからいただいたので別ページに転載いたします。→ ココをクリック

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