第17回世界コンピュータ将棋選手権の結果

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エントリ

開発者 プログラム名 使用マシン(CPU等) 使用言語
山田泰広 山田将棋(Version 2.97) PC/AT互換機(Athlon64 X2 4800+) C

1次予選(エントリ22チーム/上位9チームが2次予選へ進出)

1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 勝敗 順位
山田将棋Ver 2.97 ○ゆめき △なり金将棋 ○神乎棋技 ●まったりゆうちゃん ●あやまり将棋 ○デーモン将棋 ●マイムーブ 3-3-1 11
1次予選敗退

準備

飛び利きを示す情報を持たせpinの概念をいまさらながらに 導入。王手がかかっているかどうか、pinされてる 駒かどうか、といった判定したうえで合法手を生成するように した。これにより合法手生成と着手が、3倍程度高速化した。 従来は、駒の機能上可能な着手をとりあえず盤上で再現し、 自玉に王手がかかっていなければ合法、というとんでもなく 無駄な処理をしていた。それからLANプロトコルへの対応。 これは出場に際して必須の機能であり、wdoorやオープン戦で 事前にテストできたのでよかった。マルチスレッド化は 残念ながら間に合わなかったが、局面情報を構造体でくるんで、 各関数へポインタを渡すところまでは仕上げた。来年までの 宿題となった。その他細かいところでは、これまで深さ優先だった 探索内部で呼ぶ詰みルーチンを反復深化にしたり、 手のオーダリング時に玉周りへの利き付けを評価するようにしたり。 あと、予測読み(とはいうものの、単なる、詰めろを回避する 次の手のリストアップ処理)の際に、メッセージングに 利用していたpvmを捨て、pthreadに変更した。

将棋の内容

なり金将棋戦、中盤で痛い千日手を選択してしまった。 「評価が低くなければ回避」というルーチンは持っていたのだが、 そのしきい値が微妙だった。 まったりゆうちゃん戦は、こう着状態を地平線ぽい手で 端から打開し駒損。先に龍を作り、挟撃するなどして 持ち直したが、結局寄せが甘く負け。あやまり将棋戦は、 二枚飛車の攻撃に対して粘るも負け。マイムーブ戦は、 無意味に美濃から玉が脱出してしまうひどい将棋。 結局内容の悪い将棋が続き、1次予選敗退となった。

来年にむけて

中規模な改修をしたため、バランスとか品質に難があったと思う。 これまで、システマチックな強さ検証をしていなかったのがまずい。 次の一手問題や連続対局などできちんと検証しようと思う。
Taikou Yamada (t-yamada _at_ ceres.dti.ne.jp)