2nd Soul おいしいワインの週末

にろや十いち番勝負、第十試合(因縁の対決)
Vol.335  2002年11月8日
対戦カード:はまの酒店メルカード店 浜野 博  VS. Vin du 268 大西リキ

本日のワインリスト
参加人数:14名

はまの酒店
浜野 博
12
Vin du 268
大西リキ
30
3勝0敗で大西リキの勝ち

1R:ソーヴィニョン・ブラン《白》 対決

2001クロ・ロシュ・ブランシュ
 ニュメル2 ソーヴィニョン
(フランス トゥーレーヌ)
 \1,750 2000カストロ・セラーズ
フュメ・ブラン
(カリフォルニア パソ・ロブレス)
 \1,780 11

2R:メルロー《赤》対決

2000ラ・キュベ・デ・シール
ロベール・ミシェル
(フランス VdT 南部ローヌ)
 \1,750 2000ストーン・セラーズ メルロー
ベリンジャー(カリフォルニア)
\950

3R:南仏品種《赤》対決

1999ロジェーレ ドメーヌ・ペリエール
 マルク・クレーデンヴァイス
(フランス VdP アルデーシュ)
 \2,300 1999ダックスープ シラー
(カリフォルニア 
ドライ・クリーク・ヴァレー)
 \3,280 10
価格横の数字は得票数、

本日のワインへのお問い合わせは:
はまの酒店メルカード店:0798‐48‐5955
Vin du 268      :078-951-2324



序章
浜野氏との対決では、6戦ほど戦い勝率は5割ほどなのですが、
なぜか勝ちを感じていることが少ない。
よって周りからも宿敵のライバルとされている。
その浜野氏が当店にワインを預けに来たその時に立会いの元、
私はワインのセレクトをしました。
その時に彼が言った挑戦的な言葉は、
俺は全部フランスだから、カリフォルニアで選んだら。
新大陸はそのアタックの良さから、
非常に勝率の高いワインとなる。
それを知らない彼ではあるまい。
現に彼には、
チリのワインで、
私の自慢のクリュ・ブルジョワ級のボルドーが
負けた事は
印象に深い。
それを今回は逆で、
フランスの真髄を、参加されるお客様に、
問いたいとの意向があったのだ。


1R:すっきりとした《白》 対決
カストロは少し厚みの有るソーヴィニォン・ブラン(以下SB)、
その厚さはスーモーキーでメロンなどのトロピカルな、
親しみやすい味わいByリキ
ニュメルはきりり、
リンゴ酸はっきり、引き締まった味わいはとても好感が持てる、
伸びやかで透明感の有る味わい。
トゥレーヌの白としてはレベルは非常に高いSB。By浜野氏。
SB種と言いながらも生産地、生産者で大きく表情を変えます。
その表情の違いの対極の代表の様な、
二本のワインでした。
少し前の気候なら、浜野氏が圧倒的な有利さで勝っていただろう。
しかし、もうストーブの必要とされる季節。
冷たい白ワインの中でも、
厚みを感じるワインには、どこと無く温かみを感じ、
クリアーでドライなワインには涼やかさを感じ、
このラウンドは
大差の勝利となる。


2R:イタリア原産品種《赤》 対決
注目は価格差この価格差での勝ち。
その裏にあるものは?
ドライで控えめな香り、タンニンも硬く、
閉じているのが明白なベール・ミシェルBy浜野氏。
明確にイチゴチョコ、ヒネリの無い素直な味わい、
タンニンも控えめで飲み易さを誘うByリキ
テイスティングには、グルグルとグラスを回す事も、
観戦の皆様にはお願いしたが、
にぎやかな場で中々それを注意深く見るのは難しい。
当たりの良さで、価格の差を跳ね除けての勝利。
美味しいのはストーン・セラーズ。
しかしいいワインはベール・ミシェル。
テーブルワインのカテゴリーにしか該当しないこのメルローには、
フランスのワイン法から離れた自由な発想で仕込まれているのだろう。
このワインを良いワイントするのは、1本を長く物語りの様に楽しめるからです。
この場では少々難解になったのかも知れません。


3R:ボルドーの《赤》 対決

この二本の造り手は、どちらも信念のある素晴らしい造り手です。
ダックスープは20年もシラーをカリフォルニアで仕込み続けて来ました。
シラー種では先駆的存在でも有り、
フランス本国より古典的、
また伝統的にワインを仕込みます。
重厚感には果実味も細やかなタンニンをソフトな酸で包みこむ。Byリキ
本来アルザスの生産者でバイオ・ダイナミックで素晴らしいワインを、
世界に知らしめるクレーデンヴァイスが、
オック地方アルデッシュにて、
その信念のままに仕込んだシラー種。
圧倒的な濃厚さと凝縮感、適度な酸味は飲み飽きさせない。By浜野氏
価格の差もそのままが出た。
時間をかけて開き具合を見てもパラレルなままだろう。
ワインの格が素直に出た結果であろう。


浜野博氏個人感 まいどっ!はまのです。
昨晩は、楽しい時間をありがとうございました。

いやぁ〜参りました、完敗です。
でも全然くやしくありません。(あくまで強気です。)
考えさせられる事は少々あるのですが、
楽しい時間を過ごせたので良かったです。
昨日のセレクションは、僕の中では非常に満足させるワイン達です。
僕の店で普通に並べられ、
自信を持ってお客様にお勧めしている商品です。
大西さんのセレクションも店で普通に並べられ、
自信を持ってお客様にお勧めしている商品でした。
今回の対決は、お互いの店の商品構成のコンセプトの違いが
ワインの味わいに顕著に表れていたように思えます。

限られた条件の中で一番好きなワイン
(誰がどんなワインを持って来ても)
を認めてもらえなかったと言うよりは、
大西さんの好きなワインが皆さんも好きだったんだ
と言う結果に思えました。

268に来店されたお客様や
足繁くワイン界に来て頂いているお客さんに対し、
大西さんは
僕の好きなワインを一緒に好きになってください。
と言う努力の成果が昨晩の結果に表れたのではないでしょうか。
非常に頭の下がる思いをしました。
年に一度遊びに行くだけじゃわかってもらえないですねぇ。
また次回も誘ってください。
     (有)はまの メルカード店     浜野 博


大西リキ個人感

結果は、山崎誠氏のコメントにもある様に、
1Rにあったようにおもわれます。
2Rは偶然の結果と言えど、本来は浜野氏が持って行くべきところでしょう。
そして3Rは私が持って行く。
今回は浜野氏に先にコメントを頂戴したので、
先に転載させて頂きました。
反論は致しませんが、
私は接客の中で、
お客様に「好きになってください」
と押しつけるような事は一切致しません!!
あくまで御提案の形を取らせていただくのです。
ですから「わかってもらえない」では無く、
「分かっていただけるセレクトをする」という事だとおもいます。
その為にお客様と一緒に
ワインを飲みお話を聞くことに、
努力は惜しみません。
ただ呑んだくれて居るだけですが(^^;
またいつでもリキーノに、乗り込みますぞ!!
体験して見る>浜野君。
遠い所をありがとうございました。

安ワインにも三分の魂
高いワインばかりが、その真価を発揮するとは限らない。
安いワインも使いようによっては、
光る時も有る。