にろや十いち番勝負、第四試合(酒屋対決)
Vol.330 2002年10月4日
対戦カード:良酒倉庫・鈴原店 美濃康一 VS. Vin du 268 大西リキ
本日のワインリスト
参加人数:7名
美濃康一 |
11 |
大西リキ |
10 |
1R:2000円以内、《白》のおすすめ 対決
2001シャトー・レ・グラーヴ (ボルドー・プルミエ・コート・ド・ブライ) |
\1,380 | 5 | 2000 カピテル・フォスカリーノ/アンセルミ (イタリア・ヴェネト州) |
\1,580 | 2 |
2R:1000円以内、《赤》のおすすめ 対決
N/V サンコム リトル・ジェームス バスケット・プレス (フランス・ヴァン・ド・ターブル) |
\980 | 3 | 1998 シャトー・グランジェヌーヴ (ボルドー/サン・フォア・ボルドー) |
\850 | 4 |
3R:3000円以内、《赤》のおすすめ 対決
1999 ドメーヌ・サン・タントナン キュベ・マヌー (フランス・フォジェール) |
\2,580 | 3 | 1998トリンカデイラ/ジョアン・ポルトガル・ラモス (ポルトガル・アレンテージョ) |
\2,640 | 4 |
本日のワインへのお問い合わせは:
Vin du 268 :078-951-2324
良酒倉庫・鈴原店 :0727-77-1530
1R:2000円以内、《白》のおすすめ 対決
カピテル・フォスカリーノはイタリアのソアヴェを同産地に持つ、濃厚タイプ。
洋梨の香りがジャムっぽく広がるフルーティ・タイプ。
Chレ・グラーブはソーヴィニョン・ブラン100%のシェイプの効いた酸味、
白桃の香りを旬な金木犀の香りに似せて、フローラルな香り。
この頃の傾向として、繊細系が押してくるこの頃、
少し秋も進んだので、非樽香濃厚系で狙った私は、
目算を狂わせ、1Rを落とす。
というより、レ・グラーブの素晴らしさが目だった。
2R:1000円以内、《赤》のおすすめ 対決
この頃、日本でもよく見る事のできるローヌのネゴシアン、サンコム。
その実力は、このテーブルクラスにも、よく現れていて、
ミルキーな濃厚さと、土の香りを持ち、
果実の甘さを、上質なタンニンで包んでくる。
これ本当に千円以下?
直球勝負の私はボルドー。
しかし、インポーターが放出した訳有りワインを、
セラーでゆっくり休ませた物。
見事に復活して、
素直に軽やかさをもたせた伸びやかな味わいには、
果実味を程よく乗せた、
ジェネリック・ボルドーの親しみやすさが前面にでて、
辛くも、2Rを奪取。
3R:3000円以内、《赤》のおすすめ 対決
美濃氏とのMCの中、
このクラスのワインは、どの様な時に飲むかという話で、
「一月に一回何かの有った時ぐらいだろう。」==納得。
そうなれば、出した対価が分かりやすい味わいでなければならない。
微妙で難解な味わいでは、その価値が中途半端になって、つかみ難くなる。
その点で言えば、濃縮したジャムぽい黒い果実の香りながら、
シナモンや胡椒のようなスパイシーで
どことなく、甘い香りもして、粗いタンニン野性味溢れ、
筋肉質なワインに見せてくる。
そんな
分かり易い濃厚系シラーブレンドの味わいは
フォジェールのアントナン。
素直でバランスがよく
優等生の味わいを見せるが
その分、特徴がつかみ難く、
説明の難しい、ポルトガルはラモスのワイン。
チャーミングな酸味と、豊で細やかなタンニンで、
繊細な味わいを余韻長く楽しませてくれる。
いわゆるお仕着せのない、飲み飽きしないタイプ。
1Rの好みは、このラウンドにも引き継がれ、
繊細系有利なワインが勝つことに。
なんとか僅差ながら、
奪取に胸を撫で下ろす。
大西個人感
今回の結果は、そのままを鵜呑みに出来ない僅差である。
これがもう5人増えていたら同じだったろうか?
ワインのポテンシャルの対決なら、なかなか同じ土俵には上げる事は難しい。
しかし、
ショップらしく、お客様のご予算を思えば外せないテーマであったことは頷ける。
二年前の美濃氏とは、身体が引き締まり、ご結婚もされ随分と落着いた感じに。
そのワインのセレクトもインパクト勝負ではなく、
バランスを重視した繊細系に。
実際お店でも、そのほうが薦め易いとか、
私も同感に思う感想でした。
今回の一言
「勝てば官軍、負けても官軍」
ワインセレクトの場合、その輪切り的評価より、
どのように楽しむかで一本の中にある時経的変化も、
見てやるべき必要性を感じました。
それって、子供を見守る目と同じじゃないかぁ。